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ナビが語らない道:迷走と再発見

ナビが語らない道:迷走と再発見

2025年08月06日 09:21

カーナビが「次を右です」と告げた瞬間、私たちは無意識にハンドルを切る。目的地までの最短距離、最小限の回り道。道を間違えれば、すぐに再計算して「正しい」軌道へと導いてくれる。便利で安心。だが、ふとした瞬間に思う。「この道で、本当にいいのだろうか?」

ナビは目的地に最適なルートを示すが、人生は必ずしもそうではない。迷った末に出会う景色、引き返せない道の先にある偶然、そして偶然がもたらす再発見——それらは、ナビには表示されない。


迷走することの意味

「迷う」ことは、現代社会では非効率の象徴ともいえる。正解が用意され、指示されたルールに従えば、失敗を回避できる——そんな前提の上に生活は組み立てられている。

しかし、子どもの発達に目を向ければ、「迷走」はむしろ成長の源だ。自分で考え、自分で試し、失敗することで初めて自分の感覚を獲得していく。ナビが教えてくれるのは、地図に書かれた「ルート」であり、自分自身の「感覚」ではない。施設のマニュアルや教育制度のシステムも、時にナビ的であり、子どもを「安全に正しい道」へと導こうとする。それが果たして真の成長を促すものなのか、立ち止まって考える余地は大きい。


予測不能な風景に出会うために

「この道、前にも通ったことがあるな」と思っていたら、見たことのない喫茶店が目に留まる。店内に入れば、常連のおばあさんと話が弾み、思いがけず地域の歴史を知る。そんな経験があるだろうか。

予定調和のルートでは、こうした出会いはまず起こらない。私たちが感覚的に選ぶ道——時には目的地から外れた、道なき道——そこには、自分にしか気づけない風景が広がっている。ブログの執筆も同じ。読者の反応やアルゴリズムを気にして方向を決めることは、ある種の「ナビ」的発想だ。だが、ときに迷いながら自分の言葉を探すことで、予想もしなかった文脈や響きを得ることができる。


迷走から生まれる再発見

私自身も、子育てというナビのない旅路の中で、何度も迷った。人と違う選択に葛藤し、子どもの声と社会の常識とのあいだで揺れる日々。でもその揺れこそが、自分自身を育て、子どもとの対話を深める種になってきた。正解を選び続けることよりも、問い続けることの方が、時にずっと強い。

迷走の果てにある再発見とは、「間違っていた」のではなく、「知らなかった何かに気づいた」こと。その気づきは、最短ルートではけっして得られない。


ナビを一度、切ってみる

もちろん、人生すべてを迷いで覆ってしまっては疲れ果ててしまう。だが、今一度「ナビを切る」勇気を持つこと。その勇気が、自分の足で踏みしめる価値ある道へとつながる。

ナビが語らない道。それは、感覚が導き、偶然が彩り、問いが灯す道。合理性や安心の向こう側に、私たち自身の物語が広がっている。

その道の先に、どんな再発見が待っているか——それは、まだ誰にも語られていない。


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